小児医療の治療法の一つに、プレイセラピーというものがあります。
これは、遊びを通して子どもの心をほぐし、本人の気持ちの表現をサポートする治療法です。
プレイセラピーでは、子どもの自発的な遊びを尊重し、遊びの中で感情や思いを表現する機会を与えます。
また、遊びを通して子ども自身の能力や自信を育てることも目的の一つです。
特に子どもたちは、病気や入院生活によってストレスや不安を感じることが多いもの。
よって、遊びの場は、塞ぎ込んだ心に良い影響を与えてくれます。
中には、緊張や不安を抱きやすく、自分の気持ちを言葉にすることが難しい子もいます。
そんな子どもと良好な関係性を築き、よりリラックスできる形で検査を進めるためにプレイセラピーが行われる事例もあるようです。
遊びは子どもたちの自然なコミュニケーション方法です。
プレイセラピーでは、治療者が子どもたちが選んだおもちゃやゲームを通して、本人の心の状態やニーズを理解しようとします。
また、プレイセラピーは、子どもたちが病気や入院に対する正しい知識や理解を得ることにも役立ちます。
実際、看護師が医療用具や人形などを使って、子どもたちに治療の内容や目的を説明したり、不安や疑問に答えたりすることもあります。
そして、プレイセラピーは一対一のみに限らず、子どもたちを集めて行うグループプレイセラピーというものもあります。
その場に複数人の子どもが集まれば、みんなが仲良くおもちゃやゲームで遊び出します。
人は周囲の環境によって性格が形成される傾向にあり、子どもの集まりがきっかけで本人の表現力が触発されることは大いにあるでしょう。
同時に、子ども自身が人付き合いのコツを学ぶことにもつながるため、グループプレイセラピーは有力な手法として高く評価されているのです。
また、子どもの病気に向き合う、同じ境遇の親御さん同士が語り合う場としても活用されています。
親子ともに病への理解を深めて、心も癒せるプレイセラピーは、今後もさらに導入拡大の動きがみられるでしょう。