小児病棟の看護師として働く場合、子ども特有の病状や心理的特徴に配慮したケアを行わなければなりません。
子どもは大人に比べ、病気の原因や治療の説明を理解できない場合が多く、不安や治療への恐怖を抱きやすい傾向にあります。
そのため、できるかぎり噛み砕いた表現を意識し、根気強く病気と治療内容を伝えることに努めなければなりません。
また、子どもは身体も精神も成長・発達の過程にあり、発達段階に応じたケアが求められます。
例えば、乳幼児は親離れができていない場合が多いため、できるだけ親御さんと一緒に過ごせるよう配慮しなければなりません。
小学生になると自分の意見を持ち始めるため、病気・治療の説明を丁寧に行い、同意や協力を得ることが大切です。
中学生以上になるとプライバシーに敏感になるので、大人に準じた尊重や配慮を意識する必要があるでしょう。
小児病棟では、子どもたちだけでなく、家族へのケアも欠かせません。
子どもの入院は、親御さんはもちろん、兄弟姉妹にとっても大きなストレスとなります。
特に親御さんは、子どもの容体や治療に大きな不安を持ったり、自分のせいだと責めたりしがちです。
一方、兄弟姉妹は、親の気持ちや時間が、病気を患う子一人に奪われることに対し、嫉妬や孤独感を感じることがあります。
看護師は、こうした家族全体の状況を汲み取り、情報提供や相談支援を行わなければならないのです。
よって、小児病棟の看護師には、きめ細やかな気遣い力が求められます。
気遣い力を養うためには、専門的な知識を学び、積極的に経験から吸収しようとする姿勢が不可欠です。
こうした努力を重ねていけば、子どもたちと家族みんなを安心させられる、質の高い看護を提供できるようになるでしょう。